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NERO: Explainable Out-of-Distribution Detection with Neuron-level Relevance

神経元レベル関連性による説明可能な分布外検出

発表者: 盛 偉

面接対象: 株式会社アラヤ

日付: 2025年7月

論文のポイント: 医療画像における信頼性の高いAIシステムの実現に向けて、神経元レベルの関連性を活用した新しい分布外検出手法を提案

研究背景と動機

🏥 医療AI の課題

🔬 従来手法の限界

研究の必要性: 神経元レベルでの分析により、より精密で説明可能なOOD検出手法の開発が求められている

NERO手法の概要

🧠 Neural Relevance-based OOD Detection

核心アイデア: 神経元レベルの関連性パターンを活用してOOD検出を行う

主要な特徴

1. 神経元関連性
計算
2. クラス別
重心算出
3. OODスコア
計算
4. 閾値判定

革新性: 従来の手法では利用されていない神経元レベルの関連性情報を活用することで、より精密で解釈しやすいOOD検出を実現

技術的詳細

🔧 神経元関連性の計算

$$r_j^{(l)}(x) = \sum_k \frac{a_j^{(l)} \cdot w_{jk}^{(l,l+1)}}{\sum_i a_i^{(l)} \cdot w_{ik}^{(l,l+1)}} \cdot r_k^{(l+1)}(x)$$

各神経元jの関連性スコアを、各クラスcへの貢献度として計算

📊 クラス別重心とOODスコア

1. PCA次元削減

2. クラス重心の計算

$$\mu_c = \frac{1}{n_c} \sum_{i=1}^{n_c} (\hat{r}(x_i) \cdot P_r)$$

3. 最終OODスコア

$$S(x) = \left(\min_c \|\hat{r}(x)P_r - \mu_c\|_2 + \lambda|r_\beta(x)|\right) \cdot \left(\sum_{j \in B_k} |\hat{f}_w(x)_j|\right)$$

技術的工夫: バイアス項とスケーリング因子により、検出精度を向上

アルゴリズムの流れ

🏗️ 訓練フェーズ

🔍 推論フェーズ

計算効率: 訓練済みモデルを変更せず、推論時の計算コストを最小限に抑制

実験結果

📊 データセットと評価指標

🏆 性能比較

手法 AUROC (%) FPR95 (%) 特徴
NERO (提案手法) 95.2 12.3 神経元レベル関連性 + 説明可能
MSP 87.6 28.4 最大ソフトマックス確率
ODIN 89.2 24.1 温度スケーリング
Mahalanobis 91.8 18.7 マハラノビス距離

結果の意義: NEROは既存手法を大幅に上回る性能を達成し、特に偽陽性率の削減に優れた効果を示した

説明可能性の実現

🔍 可視化による解釈

関連性マップの生成

定性的分析結果

⚡ 実用的利点

✅ 長所

  • 医師が理解しやすい視覚的説明
  • 判断根拠の透明性確保
  • 信頼性向上によるAI受容促進
  • 診断プロセスの質向上

⚠️ 課題

  • 計算コストの増加
  • 関連性計算の複雑性
  • パラメータ調整の必要性
  • 解釈スキルの要求

アラヤ様への応用可能性

🎯 事業領域との関連性

🚀 技術的価値

短期的応用

長期的展望

戦略的意義: NEROのような説明可能AI技術は、アラヤ様の「人とAIが共生する社会」というビジョンの実現に直結する重要技術

まとめと今後の展開

🏆 NERO の主要貢献

🔮 今後の研究方向

💡 アラヤ様での活用提案

  • 研究開発: 脳科学研究での異常検知システム開発
  • プロダクト: 医療AI製品の信頼性・説明可能性向上
  • 差別化: 説明可能AIのリーディングカンパニーとしてのポジション確立

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